2024.11.05
みこもかる通信~web版~ アカダニ生存戦略!
みこもかる通信~web版~
第2回 アカダニ生存戦略!
ブログ第2回目の話題は、初夏から夏にかけてよく見かけるアカダニについてです。2回目にしてさっそく水以外の話題になりました!
水に関する話題を中心に、私たちの身の回りの環境について紹介するブログということで、何卒ご容赦ください、、、。
アカダニは赤い外見からアカダニと呼ばれていますが、正式名称はカベアナタカラダニ、汎ケダニ目タカラダニ科アナタカラダニ属のダニの仲間です。体長は約1mm、花粉がアカダニの餌の一つであることがわかっています。誰もが一度は見かけたことがあるけれど、あまり知られていないアカダニの賢い生存戦略についてご紹介します。
生存戦略① あえて赤い!
アカダニの特徴である鮮やかな赤い色。赤い理由は、カロテノイド系の色素の一種であるアスタキサンチンが多く含まれているからです。アスタキサンチンは甲殻類の殻の色素としても有名で、フラミンゴがの体がピンク色なのは、餌である甲殻類のアスタキサンチンが体表に現れているからです。
アスタキサンチンは強い紫外線や高温に耐性があるので、アカダニは炎天下でも活動できるとされています。また、昆虫は赤い色を認識できない種類が多く、赤い色は天敵のカメムシに見つかりにくいメリットがあります。
生存戦略② コンクリート上で生き残る!
アカダニの体には細かい毛が生えており、8つの脚の先には鉤爪があります。この鉤爪で様々なところに張り付くことができます。コンクリートにたくさんいる訳は、餌の花粉がたくさんついていて、隙間に卵も産みやすいのからと考えられます。そして直射日光に強いアカダニは、熱いコンクリート上でも活動できるのです。(単純にコンクリート上で赤い色が目立つせいでコンクリートに多く感じる可能性もあります。)
生存戦略③ 単為生殖(仮)!
過去研究のために採取されたアカダニはメスしか確認できておらず、おそらく単為生殖で繁殖していると推定されています。単為生殖とは、メスが単体で卵を産み、繁殖する方法です。アカダニは梅雨時期に産卵し、卵で冬を越します。そして翌年の春から初夏にかけて孵化して活動し、1か月程で寿命を迎えます。この短い間に多くの子孫を残すために単為生殖を選んだのかもしれません。
~アカダニ対策法~
アカダニは基本的に無害ですが、不快害虫の一つですので対策もご紹介いたします。アカダニはダニの仲間ですが、人間の血を吸ったりはできません。しかしアカダニの体液が長時間皮膚に接触していると、稀に発疹を引き起こす場合があります。アカダニを見つけても触らないのが一番です。
アカダニの駆除方法は様々あり、コンクリートの場合高圧洗浄器で隙間の卵ごと除去する方法が一般的です。侵入させたくない場所を撥水加工することも有効とされています。もちろん殺虫剤も有効ですが、家の中の場合はアカダニが嫌がるハッカ油を窓枠にスプレーすることで侵入を防ぐことができます。(猫や犬もハッカ油が苦手なので注意が必要です)
小さな隙間から貯水タンク等に入り込もうとするアカダニは、検査センターや水道に関わる同業者の皆さんを日々悩ませています。まだまだ謎が多いアカダニの生態が解明されることを願っています。
今回は身近だけどあまり知られていない、アカダニの生存戦略についてご紹介しました。今後もみなさんの身の回りの現象・生き物・環境について情報を発信していこうと思います! ねこ好き研究員 ねこ田