2026年10月28日 16:42
みこもかる通信~web版~第20回 レジオネラ属菌検査について
第20回 レジオネラ属菌検査について
朝晩の空気の冷たさに秋の深まりを感じるようになってきました。この季節になると温泉に入ってゆっくり温まりたくなりますね。
温泉、公衆浴場、旅館、プール、私たちが安全で快適に温浴施設を利用するために、その管理には厳しい基準が定められています。私たち長野県薬剤師会検査センターは、浴用水水質検査を通して、地域公衆浴場の安全確保に協力しております。その中で最も重要と言えるのが、レジオネラ属菌検査です。
レジオネラ属菌は、感染するとレジオネラ症を引き起こす危険な細菌です。40度前後の水の中がレジオネラ属菌にとって快適な環境であるため、レジオネラ属菌の定期的な検査は非常に重要です。
(レジオネラ属菌及びレジオネラ症についての詳しい説明は、みこもかる通信第8回 をご確認ください。)
今回は、レジオネラ属菌検査とは実際にどのような検査なのかを紹介ていきたいと思います。
厚生労働省は「公衆浴場における水質基準等に関する指針」という衛生管理指針の中で、公衆浴場において使用する水について、水質の基準及び水質の検査方法を定めています。その中のレジオネラ属菌検査に関しては、「公衆浴場における浴槽水等のレジオネラ属菌検査方法について」というマニュアルに従って検査を行うよう定められています。
培養法とリアルタイムPCR法
長野県薬剤師会検査センターでは、上記マニュアルに記載がある「平板培養法」と「迅速検査法(リアルタイムPCR法)」を承っています。どちらの検査方法においても、専用の滅菌済容器に水を採取する所からスタートします。

レジオネラ属菌検査 ~平板培養法について~
容器に採取した検水500mLをレジオネラ属菌用フィルターでろ過し、濃縮します。浴用水中にはレジオネラ属菌以外の夾雑菌も混在しているので、熱処理及び酸処理を行い、夾雑菌を殺菌します。その後、レジオネラ属菌専用の培地に処理した濃縮液を接種し、7日間36±1℃で培養します。


右はレジオネラ属菌培養後の写真です。この培地にはレジオネラ属菌が白いコロニーとして発育します。(正式な判定には分離培養及び専門の知識と経験が必要です)
厚生労働省が定める「公衆浴場における浴槽水等のレジオネラ属菌検査方法について」でも、平板培養法がレジオネラ検査の基本的な検査方法として、多くの機関がこの方法を採用しています。
しかし。。。平板培養法では検査結果の判定までに1週間待たなければなりません。この判定時間を大幅に短縮できるのが、もう一つの検査方法である「迅速検査法」です。その中でも当検査センターで運用中のリアルタイムPCR法についてご説明いたします。
レジオネラ属菌検査 ~PCR法について~
PCRとは、Polymerase Chain Reaction(訳:ポリメラーゼ連鎖反応)の頭文字を取った用語で、DNAの特定の領域を増幅する手法です。
まず検水500mLを濃縮し、濃縮液中のDNA/RNAを抽出します。その後PCR装置によってDNA/RNA特定の領域を増幅させます。増幅する際に増幅部分に蛍光物質を装飾し、その蛍光強度を測定することで検水中の遺伝子量を定量することができます。


レジオネラ属菌平板培養法では結果が出るまでに7日間必要ですが、リアルタイムPCR法ではレジオネラ属菌の菌数が最短2日で結果がわかることが最大のメリットです。
では、浴用水の水質検査はどのような頻度で行わなければならないのでしょうか?また、レジオネラ属菌の他にどんな検査をしなければならないのでしょうか?
検査内容・検査頻度の目安
浴用水には大きく別けて4種類あり、それぞれの検査頻度や必要な検査内容が決まっています。
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原湯・原水・上がり用湯・上がり用水
| 検査項目 | 基準 | 検査頻度 |
| 色度 | 2度以下 | 年に1回以上 |
| 濁度 | 5度以下 | 年に1回以上 |
| pH | 5.8~8.6 | 年に1回以上 |
| 有機物 | 3mg/L以下(TOC(全有機炭素量)) 10mg/L以下(過マンガン酸カリウム消費量) |
年に1回以上 |
| 大腸菌 | 検出されないこと | 年に1回以上 |
| レジオネラ属菌 | 10CFU/100mL未満 ※ | 年に1回以上 |
※CFUはColony forming unit(コロニー形成単位)の略で、生菌数(生きている菌の数)を表す単位です。
あああ
浴槽水
| 検査項目 | 基準 |
| 濁度 | 5度以下 |
| 有機物 | 8mg/L以下(TOC(全有機炭素量)) 25mg/L以下(過マンガン酸カリウム消費量) |
| 大腸菌数 | 1CFU/mL以下 |
| レジオネラ属菌 | 10CFU/100mL未満 |
| 浴槽水の運用方法 | 検査頻度 |
| ろ過器を使用していない浴槽水 | 年に1回以上 |
| 毎日完全換水している浴槽水 | 年に1回以上 |
| 循環して連日使用している浴槽水 (塩素剤使用あり) |
年に2回以上 |
| 循環して連日使用している浴槽水 (塩素剤使用無し) |
年に4回以上 |
長野県薬剤師会検査センターは、正確な検査と専門知識で安全で快適な公衆浴場の施設管理に協力いたします。浴用水及びレジオネラ属菌検査についてのお問合せ、検査頻度、検査料金について、お気軽にお問合せください。
ねこ好き研究員 ねこ田








































